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せぼね(脊椎・脊髄)外来

最終更新日:2024年11月5日

脳神経外科でせぼねの手術?

みなさん、脳神経外科と聞くと「頭の手術じゃないの?」と思い浮かべるかもしれません。脳神経外科は、英語では“Neurosurgery”といいます。“Neuro”は神経、“Surgery”は外科という意味なので、本来は『神経外科』と表記されるべき診療科です。従って、脳神経外科は本来、神経に関する手術全般、つまり脳だけに限らず、そこからつながる脊髄や末梢神経にいたる神経の手術がすべて、脳神経外科の守備範囲だということになります。実際、欧米では脳神経外科手術のうち半数以上が、せぼねの手術です。そのため日本でも多くの病院で、整形外科に限らず、脳神経外科でもせぼねの手術を行っています。

当院で手術を行うせぼねの病気

当院では頭蓋頚椎移行部(頭から首に移行する部分)から頚椎・腰椎にいたるすべてのせぼねの領域の手術を行っています。
また扱う病気も下記のように多岐にわたります。

扱う病気

  • 脊椎変性疾患(頚椎症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など)
  • 脊椎靭帯骨化症(後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症など)
  • 脊椎・脊髄腫瘍
  • 脊髄血管奇形
  • 脊椎・脊髄外傷(圧迫骨折など)
  • 脊椎感染症
  • 先天奇形(キアリ奇形、二分脊椎など)

こうした病気の中で、近年の高齢化社会の影響もあり特に多いのが脊椎変性疾患です。

脊椎変性疾患について

脊椎変性疾患とは

ひとことで、脊椎変性疾患といっても、そこには頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などの様々な病気が含まれます。脊椎変性疾患は圧倒的に高齢の方に多い病気で、そのため高齢化の進む日本において増加の一途をだどっています。
重力に対抗し、同一姿勢で長い時間生活を送っていることにより、せぼねに大きな負担がかかります。その結果として、せぼねを構成する椎間板、靭帯、関節や椎体・椎弓などの骨に負荷がかかり、これらの構造に様々な変化をきたしてきます。この変化により、神経が圧迫されてしびれや痛みなどの感覚障害や、動きの悪さである運動障害を生じてしまいます。こうした変化は、せぼねのどの部位にでも生じ得ますが、動きが大きく体重もかかる腰椎で多く、次いで頚椎に多くみられます。

頚椎症、頚椎ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎へルニアの図

いずれの疾患も椎間板ヘルニアや骨棘、肥厚した関節や靭帯が、神経を圧迫し、手足の感覚障害や運動障害を生じます。

脊椎変性疾患の当院での診断の流れ

加齢とともにせぼねの変化をきたす場所は複数にわたるため、MRIなどの画像では非常に多くの部位で神経が圧迫されているように見えしまいます。しかし、これら圧迫のみられるすべての部位で神経症状をきたしているわけでは決してありません。われわれは、詳細な病歴聴取、診察を行い、その上でレントゲン、CT、MRIなどの画像検査、場合により脳神経内科医と協力して電気生理学的検査を行い、現在患者さんを苦しめている症状の原因の部位を特定(神経高位診断といいます)し、治療方針を提案していきます。

脊椎変性疾患の当院での治療

多くの患者さんでは、まずは内服治療やブロック治療、リハビリテーションといった保存的治療を行っていくことになります。
一方、保存的治療で改善しなかったり、強い痛みや運動麻痺で生活に支障がある場合は、早期から手術をお勧めしていきます。

当院での脊椎変性疾患の手術と手術後の流れ

負担の少ない手術、待たせない手術、「自宅に帰る」を目標に

手術に関しては様々な方法があります。大きくわけて、神経を圧迫している骨や椎間板、靭帯を取り除くのみの「除圧術」と、さらにねじなどを用いて骨同士を固定する「固定術」に分けられます。当院では「除圧術」から「固定術」まで幅広い手術が可能です。
高齢化が進むこの地域において、ご高齢の方に対して“負担の少ない手術”でいかに症状をよくするかが大切です。そのためには神経高位診断(様々ある神経の圧迫部位から患者さんを苦しめている症状の原因の部位を特定)を確実に行い、患者さまの症状の原因となる病変をピンポイントに治療することが大切と考えています。
また神経が圧迫されている期間ができるだけ短いほうが神経機能の回復が期待できます。そのため手術をやることが決定した場合、できるだけ早く手術を行い、神経の圧迫をできるだけ早くとった方が、症状の改善が望まれます。大病院では手術を行うまでに数か月待ちということもざらにあり、手術前の患者さんやご家族の不安も計り知れません。当院では大病院にはないフットワークの軽さを生かして、手術をご希望されてから2~3週間以内で手術を受けていただけるような“待たせない手術”の体制を整えています。
せぼねの病気において、これら診断や治療、手術はもちろん重要です。一方、手術前の症状の程度や期間によっては、手術で神経の圧迫を取り除くだけでは日常生活に復帰するには不十分な方もいます。弱った筋力や身体機能を改善させるには、手術後のリハビリテーションが非常に重要です。当院では、地域包括ケア病棟を兼ね備えており、より速やかに術後の身体機能の低下を防ぐとともに、リハビリテーションへと移行することができます。また、主治医、看護師、専従のリハビリテーションスタッフ、医療相談員などさまざまなスタッフが協力して、“自宅に帰る”ために最大限サポートを行っていきます。

首や腰の痛み、手や足のしびれや痛み、歩きにくさなどでお困りの方は、ぜひ一度、脳神経外科までご相談ください。

脊椎圧迫骨折について

脊椎圧迫骨折とは

加齢よって骨粗しょう症になり骨がもろくなり、せぼねの骨(椎体)が押しつぶされるように変形してしまう骨折です。転倒による尻もちのほか、くしゃみをしたり、体をひねったり、重いものを不用意に持ち上げるといった、ちょっとしたきっかけで骨折することもあります。

脊椎圧迫骨折の症状

中には痛みを感じない方もいらっしゃいますが、多くの方は背中や腰に激しい痛みを感じます。痛みは安静にし、徐々に骨折した椎体が固まることにより徐々に改善することも多いですが、中にはなかなか骨折が治らずに痛みが残存してしまうこともあります。

脊椎圧迫骨折が及ぼす影響

圧迫骨折をそのまま放置していると、椎体がつぶれたままとなり背中が丸くなります。背中が丸くなると、胸や内臓が圧迫されるため、肺活量が低下し、食欲も低下し、身体全体の機能が低下してしまいます。また、痛みが続き、よく眠れない日が続くと、気分がふさぎがちになり、日常生活での活動性が低下し、さらに骨がもろくなり、太ももや腕なども含めて、他の骨折が起こりやすくなってしまいます。こうして最終的には寝たきりの生活になる危険性が高くなってしまいます。

脊椎圧迫骨折の治療

コルセットを装着し、痛み止めを内服、さらに骨粗鬆症治療薬を使いながら安静にするという保存的治療をまずは行います。しかし、長期間安静を保つ必要があり、その間に足の筋力が低下してしまったり、認知症になってしまったりする可能性が高まるという危険性があります。
しばらく安静にしても痛みが残ってしまったり、画像で椎体の変形が進行してしまう場合は、手術が必要となることがあります。
従来は骨折した椎体を取り除いて人工物に置き換え、さらに金属製のネジや棒でせぼねを固定するという、非常に大掛かりな手術しか方法がありませんでした。しかし、ご高齢の方が多いというこの病気の特性上、そもそもこのような大掛かりな手術を行うことができなかったり、行うことによって余計患者さんの状態を悪くしてしまうという危険性がありました。
一方で、医療の技術は進歩し、最近では椎体の変形が著しくない場合などには、経皮的椎体形成術という非常に負担が少ない手術によって、痛みをとり、それ以上の椎体の変形を予防することが可能となっています。

大掛かりな手術の一例

大掛かりな手術の一例

変形が著しい場合は、経皮的椎体形成術では治療ができず、大掛かりな手術が必要となってしまいます。また、ご高齢な方では体力的にこのような大掛かりな手術をできないこともあります。

経皮的椎体形成術とは

アメリカで開発された手術で、本邦でも10年以上の歴史がある、公的保険が適応された安全な手術法です。BKPと略されることもあります。
つぶれて変形してしまった椎体を、可能な限り骨折前の形に近づけ安定化させ、せぼねが丸くなってしまうのを防ぐとともに、早期に骨折を固めて、痛みを軽減する役割があります。全身麻酔が必要ではありますが、従来の金属のネジや棒でせぼねを固定をするという大掛かりな手術と異なり、30分程度で終了する、状態が許せば90歳以上でも可能な手術です。

経皮的椎体形成術の実際の方法

1.背中の左右の5mm程度の小さな傷から、骨折した椎体に針を入れます。

経皮的椎体形成術

2.その針から小さな風船のついた器具を挿入し、その風船を膨らませ、つぶれた骨を持ち上げてできるだけつぶれる前の形に戻します。

経皮的椎体形成術

3.風船を膨らませた空間を満たすように骨セメントを充填します。

当院での経皮的椎体形成術について

基本的に数か月間は、保存的治療を行うことを第一優先とします。一方、先に述べたようにご高齢の方では、安静を強いられることにより、その間に足の筋力低下や認知症の出現などを引き起こしてしまい、リハビリテーションが長期間必要となったり、リハビリテーションを行っても骨折前の生活に戻ることが困難になることがあります。また、保存的治療期間中に徐々に椎体の変形が進行してしまい、経皮的椎体形成術では対応できなくなり、大掛かりな手術を行うしか手段がなくなってしまうこともあります。このようなことを防ぐために、ご相談次第では、より早期に経皮的椎体形成術を行うという選択肢もあります。

背中や腰の痛みで悩んでいらっしゃる方、脊椎圧迫骨折と診断され、なかなか痛みが改善しない方は是非一度、脳神経外科までご相談ください。

せぼね(脊椎・脊髄)外来担当医師

脳神経外科

青山 正寛(あおやま まさひろ)
阿藤 文徳(あとう ふみのり)

外来日

月曜日 午前
月曜日 午後、火曜日 午後、水曜日 午後、木曜日 午後
(午後枠は完全予約制です)

メディカルノート「津島市民病院 脊椎・脊髄疾患特集」

当院の脊椎・脊髄疾患治療についての詳しい情報は、こちらのページに掲載しています。
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