せぼね(脊椎・脊髄)外来
最終更新日:2026年6月5日
- せぼね(脊椎・脊髄)外来日・担当医師
- せぼね(脊椎・脊髄)外来って?
- NHK「あしたが変わるトリセツショー」にて「しびれ図鑑」を監修
- 当院で手術を行うせぼねの病気
- 手術実績
- 術中CTナビゲーション導入のお知らせ
- 脊椎内視鏡導入のお知らせ
- 脊椎変性疾患について
- 脊椎圧迫骨折について

せぼね(脊椎・脊髄)外来日・担当医師

脳神経外科 青山正寛
外来日
- 月曜日 午前 火曜日 午前 木曜日 午前 金曜日 午前
(予約がない方でも当日受付で受診が可能です)
- 月曜日 午後 火曜日 午後
(午後枠は完全予約制です)
外来担当医師
青山 正寛(あおやま まさひろ)
前嶋 竜八(まえじま りゅうや)
井面 利昂(いのも としあき)
脳神経外科でせぼねの手術?
みなさん、脳神経外科と聞くと「頭の手術じゃないの?」と思い浮かべるかもしれません。脳神経外科は、英語では“Neurosurgery”といいます。“Neuro”は神経、“Surgery”は外科という意味なので、本来は『神経外科』と表記されるべき診療科です。従って、脳神経外科は本来、神経に関する手術全般、つまり脳だけに限らず、そこからつながる脊髄や末梢神経にいたる神経の手術がすべて、脳神経外科の守備範囲だということになります。実際、欧米では脳神経外科手術のうち半数以上が、せぼねの手術です。そのため日本でも多くの病院で、整形外科に限らず、脳神経外科でもせぼねの手術を行っています。
NHK「あしたが変わるトリセツショー」しびれ図鑑の監修を行いました

NHK「あしたが変わるトリセツショー」に出演し、「しびれ図鑑」の監修を行いました。
詳しくは以下のリンクからご覧ください。
当院で手術を行うせぼねの病気
当院では頭蓋頚椎移行部(頭から首に移行する部分)から頚椎・腰椎にいたるすべてのせぼねの領域の手術を行っています。
また扱う病気も下記のように多岐にわたります。
扱う病気
- 脊椎変性疾患(頚椎症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など)
- 脊椎靭帯骨化症(後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症など)
- 脊椎・脊髄腫瘍
- 脊髄血管奇形
- 脊椎・脊髄外傷(圧迫骨折など)
- 脊椎感染症
- 先天奇形(キアリ奇形、二分脊椎など)
こうした病気の中で、近年の高齢化社会の影響もあり特に多いのが脊椎変性疾患です。
手術実績

術中CTナビゲーション導入のお知らせ
2025年4月から新しい手術支援装置を導入し、さらに安全で確実な手術を行うことが可能となりました。
術中CTナビゲーションとは
術中CTナビゲーションとは簡単に言うと、手術中に患者さんが全身麻酔で寝ている間に使用する、手術中のCT装置のことです。外来でCT検査を行った経験がある方も多いかもしれません。それと同じように術中CTナビゲーションを用いることによって、せぼねを中心とした体の内部の構造を瞬時に把握することができます。
いわば自動車のカーナビゲーションで自動車の位置を把握するのと同じように、手術中に医師が、現在せぼねのどの位置を操作しているのか、ということを誤差なく正確に把握することができます。正確に手術操作を行っている場所を把握できることから、せぼねへネジ(スクリュー)を挿入する操作や、せぼねをドリルで削るといった操作などが、より確実に、正確に行うことができるようになります。さらに術中の患者さんへの放射線使用量も従来の透視装置を用いた手術より軽減することが期待できます。このように、より患者さんにとって負担の少ない手術が可能となり、さらに安全に手術を行うことができるため、手術における合併症を減らすことにもつながります。
実際の手術風景



せぼねの手術と聞くと、怖いイメージを持っていらっしゃる方が多いかもしれません。ただ最近では、術中CTナビゲーションを用いることで、より安全に確実な、体に負担の少ない手術を行うことが可能となってきています。
脊椎内視鏡導入のお知らせ
当院では近年発達してきた低侵襲脊椎手術の代表である脊椎内視鏡手術を2026年4月から行なっています。
脊椎内視鏡手術の最大の利点は侵襲性が低いことです。従来の脊椎手術では、皮膚を3cm切開した上で筋肉を多く剥がす必要があるのに対し、内視鏡手術では1cm弱の皮膚切開で従来手術との同等の効果を達成することができます。そのため、従来手術と比べて、術後の身体への負担や痛みを軽減することが期待されます。高齢の方や持病のある方、活発にスポーツしている若年者、家事・育児やお仕事で長期休養が難しい壮年期の方にとって、身体的・社会的負担を軽減できる治療として非常に有用です。内視鏡下手術では、7-8mm径の細い内視鏡を挿入し、術野をモニターで確認しながら専用の器具で病変部分を処置します。病変に対してカメラを近接させることができ、術中の視認性が良いため、より精密な操作が可能となります。ご希望であれば入院期間は3〜5日程度で、早期に社会復帰することも可能です。
一方、すべての病気に対応可能なわけではなく、対象疾患は脊椎変性疾患で、主に腰部脊柱狭窄症や腰椎椎間板ヘルニア、頚椎椎間孔狭窄(ヘルニア)などが手術の適応となります。以下に代表的手術をお示しします。
全内視鏡下腰椎椎間板切除術(Full endoscopic lumber discectomy;FELD、Percutaneous endoscopic lumber discectomy;PELD)
腰椎椎間板ヘルニアが対象となります。
全身麻酔下で行います。8mmの切開を1箇所作成し、水を灌流しながら内視鏡を挿入し、鉗子と呼ばれる手術器具でヘルニアを摘出していきます。必要に応じてドリルで骨の掘削を行いますが、従来の脊椎手術と比べて組織損傷を最小限にとどめることができるため、術後の負担が非常に小さいです。
手術時間は一か所で1〜2時間程度です。手術前日に入院し、手術後は当日夕方あるいは翌朝から歩行を開始し、ご希望であれば手術翌日あるいは翌々日に退院が可能となります(2泊3日〜3泊4日)。退院後は早期に社会復帰が可能です。
第5腰椎/仙椎部椎間板ヘルニアに対する全内視鏡下椎間板切除術(FELD)の実例

術前MRIの画像
大きなヘルニア(左図の矢印、右図の丸印)を認め神経を強く圧迫しています。

術後MRIの画像
ヘルニアは完全摘出され、神経の圧迫が解除されています。右図は背中から見た腰椎を示していますが、少量の骨削除による開窓でヘルニアが摘出されました。
術中写真

1 8mmの小さな傷口から内視鏡を挿入

2 神経(矢印)の間にヘルニアを確認(丸印)

3 大きなヘルニア塊を摘出(丸印)

4 摘出されたヘルニア

5 ヘルニアが完全摘出され、神経の圧迫が解除されたことを確認
全内視鏡下椎弓切除術(Full endoscopic laminectomy;FELD、Percutaneous endoscopic laminectomy;PEL)、2孔式内視鏡下椎弓切除術(Unilateral biportal endoscopy;UBE、Biportal endoscopic spine surgery;BESS、assisted Full endoscopic spine surgery;aFESS)
腰部脊柱管狭窄症が対象となります。
全身麻酔下で行います。8mmの切開を1箇所あるいは2箇所作成し、水を灌流しながら内視鏡や手術器具を体内に挿入し、加齢変化により分厚くなった骨や靱帯を切除し、神経の通り道(脊柱管)を広げて圧迫を取り除きます。特に、近年発達している2孔式手術は、使用できる器具の幅が広く、従来行われている顕微鏡下手術に近い感覚で操作を行うことが可能であり、除圧効果は同等以上とも言われています。その汎用性は高く、複数病変や変形や癒着のある例にも対応が可能であり、手技の幅としても除圧固定術にも応用が期待されます。
手術時間は一か所で2時間前後です。手術前日に入院し、手術後は当日夕方あるいは翌朝には歩行を開始し、ご希望であれば手術後2〜3日目に退院となります(4泊5日程度)。退院後は早期に社会復帰が可能となります。
第4、5腰椎部腰部脊柱管狭窄症に対する2双式内視鏡下椎弓切除(aFESS)の実例

術前MRIの画像
靱帯や骨が厚く変性し、神経の通り道(脊柱管)が狭くなっています(丸印)。

術後MRIの画像
厚くなった靱帯や骨が切除され、脊柱管が広くなっています(丸印)。
術中写真

1 内視鏡と器具を小切開部から挿入

2 ドリルで骨を掘削

3 神経(矢印)を確認し靱帯(丸印)を切除

4 最終的に神経を十分に除圧完了

5 術後の傷口 8mmの傷が2箇所
腰痛や手足のしびれ、痛み、坐骨神経痛でお困りの方、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアと診断されて治療に悩まれている方、手術を考えているけど年齢や持病などで躊躇されている方、脊椎内視鏡手術について話を聞きたい方など、どなたでもご相談ください。
せぼねの専門医が適切な診断を行い、患者様一人一人の病態と患者様のご希望に沿った適切な治療の提案をさせていただきます。
脊椎変性疾患について
脊椎変性疾患とは
ひとことで、脊椎変性疾患といっても、そこには頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などの様々な病気が含まれます。脊椎変性疾患は圧倒的に高齢の方に多い病気で、そのため高齢化の進む日本において増加の一途をだどっています。
重力に対抗し、同一姿勢で長い時間生活を送っていることにより、せぼねに大きな負担がかかります。その結果として、せぼねを構成する椎間板、靭帯、関節や椎体・椎弓などの骨に負荷がかかり、これらの構造に様々な変化をきたしてきます。この変化により、神経が圧迫されてしびれや痛みなどの感覚障害や、動きの悪さである運動障害を生じてしまいます。こうした変化は、せぼねのどの部位にでも生じ得ますが、動きが大きく体重もかかる腰椎で多く、次いで頚椎に多くみられます。

いずれの疾患も椎間板ヘルニアや骨棘、肥厚した関節や靭帯が、神経を圧迫し、手足の感覚障害や運動障害を生じます。
脊椎変性疾患の当院での診断の流れ
加齢とともにせぼねの変化をきたす場所は複数にわたるため、MRIなどの画像では非常に多くの部位で神経が圧迫されているように見えしまいます。しかし、これら圧迫のみられるすべての部位で神経症状をきたしているわけでは決してありません。われわれは、詳細な病歴聴取、診察を行い、その上でレントゲン、CT、MRIなどの画像検査、場合により脳神経内科医と協力して電気生理学的検査を行い、現在患者さんを苦しめている症状の原因の部位を特定(神経高位診断といいます)し、治療方針を提案していきます。
脊椎変性疾患の当院での治療
多くの患者さんでは、まずは内服治療やブロック治療、リハビリテーションといった保存的治療を行っていくことになります。
一方、保存的治療で改善しなかったり、強い痛みや運動麻痺で生活に支障がある場合は、早期から手術をお勧めしていきます。
当院での脊椎変性疾患の手術と手術後の流れ
負担の少ない手術、待たせない手術、「自宅に帰る」を目標に
手術に関しては様々な方法があります。大きくわけて、神経を圧迫している骨や椎間板、靭帯を取り除くのみの「除圧術」と、さらにねじなどを用いて骨同士を固定する「固定術」に分けられます。当院では「除圧術」から「固定術」まで幅広い手術が可能です。
高齢化が進むこの地域において、ご高齢の方に対して“負担の少ない手術”でいかに症状をよくするかが大切です。そのためには神経高位診断(様々ある神経の圧迫部位から患者さんを苦しめている症状の原因の部位を特定)を確実に行い、患者さまの症状の原因となる病変をピンポイントに治療することが大切と考えています。
また神経が圧迫されている期間ができるだけ短いほうが神経機能の回復が期待できます。そのため手術をやることが決定した場合、できるだけ早く手術を行い、神経の圧迫をできるだけ早くとった方が、症状の改善が望まれます。大病院では手術を行うまでに数か月待ちということもざらにあり、手術前の患者さんやご家族の不安も計り知れません。当院では大病院にはないフットワークの軽さを生かして、手術をご希望されてから2~3週間以内で手術を受けていただけるような“待たせない手術”の体制を整えています。
せぼねの病気において、これら診断や治療、手術はもちろん重要です。一方、手術前の症状の程度や期間によっては、手術で神経の圧迫を取り除くだけでは日常生活に復帰するには不十分な方もいます。弱った筋力や身体機能を改善させるには、手術後のリハビリテーションが非常に重要です。当院では、地域包括ケア病棟を兼ね備えており、より速やかに術後の身体機能の低下を防ぐとともに、リハビリテーションへと移行することができます。また、主治医、看護師、専従のリハビリテーションスタッフ、医療相談員などさまざまなスタッフが協力して、“自宅に帰る”ために最大限サポートを行っていきます。
首や腰の痛み、手や足のしびれや痛み、歩きにくさなどでお困りの方は、ぜひ一度、脳神経外科までご相談ください。

手術風景

リハビリ風景
脊椎圧迫骨折について
脊椎圧迫骨折とは

加齢よって骨粗しょう症になり骨がもろくなり、せぼねの骨(椎体)が押しつぶされるように変形してしまう骨折です。転倒による尻もちのほか、くしゃみをしたり、体をひねったり、重いものを不用意に持ち上げるといった、ちょっとしたきっかけで骨折することもあります。
脊椎圧迫骨折の症状
中には痛みを感じない方もいらっしゃいますが、多くの方は背中や腰に激しい痛みを感じます。痛みは安静にし、徐々に骨折した椎体が固まることにより徐々に改善することも多いですが、中にはなかなか骨折が治らずに痛みが残存してしまうこともあります。
脊椎圧迫骨折が及ぼす影響
圧迫骨折をそのまま放置していると、椎体がつぶれたままとなり背中が丸くなります。背中が丸くなると、胸や内臓が圧迫されるため、肺活量が低下し、食欲も低下し、身体全体の機能が低下してしまいます。また、痛みが続き、よく眠れない日が続くと、気分がふさぎがちになり、日常生活での活動性が低下し、さらに骨がもろくなり、太ももや腕なども含めて、他の骨折が起こりやすくなってしまいます。こうして最終的には寝たきりの生活になる危険性が高くなってしまいます。
脊椎圧迫骨折の治療
コルセットを装着し、痛み止めを内服、さらに骨粗鬆症治療薬を使いながら安静にするという保存的治療をまずは行います。しかし、長期間安静を保つ必要があり、その間に足の筋力が低下してしまったり、認知症になってしまったりする可能性が高まるという危険性があります。
しばらく安静にしても痛みが残ってしまったり、画像で椎体の変形が進行してしまう場合は、手術が必要となることがあります。
従来は骨折した椎体を取り除いて人工物に置き換え、さらに金属製のネジや棒でせぼねを固定するという、非常に大掛かりな手術しか方法がありませんでした。しかし、ご高齢の方が多いというこの病気の特性上、そもそもこのような大掛かりな手術を行うことができなかったり、行うことによって余計患者さんの状態を悪くしてしまうという危険性がありました。
一方で、医療の技術は進歩し、最近では椎体の変形が著しくない場合などには、経皮的椎体形成術という非常に負担が少ない手術によって、痛みをとり、それ以上の椎体の変形を予防することが可能となっています。
大掛かりな手術の一例

変形が著しい場合は、経皮的椎体形成術では治療ができず、大掛かりな手術が必要となってしまいます。また、ご高齢な方では体力的にこのような大掛かりな手術をできないこともあります。
経皮的椎体形成術とは
アメリカで開発された手術で、本邦でも10年以上の歴史がある、公的保険が適応された安全な手術法です。BKPと略されることもあります。
つぶれて変形してしまった椎体を、可能な限り骨折前の形に近づけ安定化させ、せぼねが丸くなってしまうのを防ぐとともに、早期に骨折を固めて、痛みを軽減する役割があります。全身麻酔が必要ではありますが、従来の金属のネジや棒でせぼねを固定をするという大掛かりな手術と異なり、30分程度で終了する、状態が許せば90歳以上でも可能な手術です。
経皮的椎体形成術の実際の方法
1.背中の左右の5mm程度の小さな傷から、骨折した椎体に針を入れます。

2.その針から小さな風船のついた器具を挿入し、その風船を膨らませ、つぶれた骨を持ち上げてできるだけつぶれる前の形に戻します。

3.風船を膨らませた空間を満たすように骨セメントを充填します。


当院での経皮的椎体形成術について
基本的に数か月間は、保存的治療を行うことを第一優先とします。一方、先に述べたようにご高齢の方では、安静を強いられることにより、その間に足の筋力低下や認知症の出現などを引き起こしてしまい、リハビリテーションが長期間必要となったり、リハビリテーションを行っても骨折前の生活に戻ることが困難になることがあります。また、保存的治療期間中に徐々に椎体の変形が進行してしまい、経皮的椎体形成術では対応できなくなり、大掛かりな手術を行うしか手段がなくなってしまうこともあります。このようなことを防ぐために、ご相談次第では、より早期に経皮的椎体形成術を行うという選択肢もあります。
背中や腰の痛みで悩んでいらっしゃる方、脊椎圧迫骨折と診断され、なかなか痛みが改善しない方は是非一度、脳神経外科までご相談ください。
☆青山医師が「関節が痛い.com」のインタビューを受けました☆
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