津島市民病院
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第3回 地域医療と健康生活を守るためのシンポジウム
  − みんなで取り組む地域医療づくり −

 平成22年9月5日(日)午後1時から「この海部地区の地域医療を守り育てていくために、何をすべきか、何ができるかを、いっしょに考えてみませんか。」をテーマに、アイプラザ津島(愛知県津島勤労福祉会館)小ホールにてシンポジウムを開催しました。

 2人の講師の「基調講演」を通じて、地域医療を守っていくためには、「人任せ」ではなく自分自身が「主語」となることの必要性や、講師が共に活動されている「兵庫県丹波市」のように、地域全体が一丸となって、地域医療を守っていくことの重要性について理解を深めることができました。

 今後も、本シンポジウムを継続的に開催し、地域医療について考える機会を提供することにより、地域全体で、この海部地域の医療を守り育てていくための「輪」を拡げていきたいと考えています。

 同時に、これまでのシンポジウムを通じ、地域医療を守り育てるための住民活動に関心をお持ちいただいた方と連携し、この海部地域において、住民活動を展開していくための取組みも進めてまいります。


【シンポジウム概要】
 《基調講演T》
  テーマ:「地域医療を守りたい〜住民としてできること〜」
  講 師:県立柏原病院の小児科を守る会 代表 丹生裕子 氏
 兵庫県立柏原病院小児科の和久医師の退職宣言を機に活動を開始した「県立柏原病院の小児科を守る会」のこれまでの取組みを紹介しながら、地域医療を守っていくためには、「人任せにしても問題は解決しない」こと、「地域医療を守るのは、一人ひとりの心がけ、子どもも親も、そしてお医者さんも誰もが安心して暮らせる地域づくり」を目指すことが必要であることを説明されました。
 また、子育て中の母親で結成される守る会の活動がきっかけとなり、子育て世代以外の住民、商業者、医療者、行政が、それぞれの立場で、また、お互いに協力して、地域医療を守るための取組みをスタートし、地域を挙げての活動に発展していることも紹介されました。
 同時に、住民は、「医療の不確実性(医学が必ずしも万能でないこと ※1参照)」を認識することが重要であることも強調されました。
 
※1 「医療の不確実性」について
  ◎ 世界で、分娩中に妊婦が亡くなる割合:   250人に1人。
  ◎ 日本で、分娩中に妊婦が亡くなる割合: 27,000人に1人。
                       〔平成20年 厚生労働省人口動態統計より〕

 世界一安全なお産を提供してきた日本の医療は、結果として、お産に関する医師と住民の意識に、大きなギャップを生じさせました。

 〔医師〕 お産には「危険」が伴う。・・・・ 世界では250人に1人が死亡。
 〔住民〕 お産は「安全」という前提。

 医療の発達や医師の努力により、無事出産できることが多い。しかし、医療は確実なものではない。常に、危険と隣り合わせであり、これは、どの診療科でも同じです。
基調講演1(丹生裕子氏)
県立柏原病院の小児科を守る会のホームページはこちらから

 《基調講演U》
  テーマ:「住民と医療者が守る地域小児医療 −兵庫県立柏原病院小児科の事例−」
  講 師:兵庫県立柏原病院 小児科医長 和久祥三 氏
 守る会の活動により、「コンビニ受診(※2参照)」が抑制され、柏原病院小児科の時間外受診者が半減(H17:2,076人 → H21:1,168人)した反面、時間外受診者の入院率は上昇し(H17:7.9% → H21:19.4%)、柏原病院小児科が地域の基幹病院の小児科として、より重症患者の診療に時間をかけられるようになったことなどや、守る会の活動を知った医師たちが集まり、一度は、閉鎖の危機に瀕した小児科の常勤医師が5人に増員されたことを紹介されました。
 そして、その守る会の活動により、実は「地域医療の主語」は医療者だけでなく、住民・行政もともに「主語」であり、その「住民の力」が想像を絶する素晴らしいものであることを実感したと述べられました。
 同時に、特に地方では、「地域医療の主語」であった医療者が、その役割を自ら放棄しなければならないほど医療崩壊が進みつつあり、無責任・無関心といった住民・行政の「主語の自覚欠如」が、これを加速させていることや、「医療崩壊は日本人の心の崩壊の氷山の一角」であること、医療者・住民・行政など、それぞれの主語が連携していくためには「仲介者」が必要であることなどを指摘されました。
 そして、「主語が不在【まだまだ不足】であること、自らも主語であること、自らの力の素晴らしさに、気づいてほしい」、「地域医療の主語となり、そして仲介者となり、仲間を増やし、地域の総力戦で愛する命を守りましょう。日本人の心の崩壊も救いましょう!!」と、ユーモアを交え、熱く呼びかけられました。
 
※2 「コンビニ受診」とは、「日中は仕事が忙しかった」「夜行くと早く受診できそう」といった自己都合で、緊急性のない軽症患者が、重症患者のための夜間2次救急施設を受診することを言います。重症患者への対応に支障がでる、病院勤務医の疲弊をまねく等の弊害が生じ、医療崩壊の大きな原因の一つとなっています。
基調講演2(和久祥三氏)
兵庫県立柏原病院のホームページはこちらから

【講師との意見交換会】
シンポジウム終了後、講師との意見交換会を開催しました。
 1 名称 「地域医療と健康生活を守るための座談会」
 2 日時 平成22年9月5日(日)午後3時50分〜5時20分
 3 場所 アイプラザ津島(愛知県津島勤労福祉会館) 第6会議室
 4 目的 地域医療を守り育てるための住民活動に関心がある、参加したいと考えている方に、直接、講師と意見交換していただき、より実践的なお話をお聞きいただくことにより、この海部地域での活動につなげていく。
 5 参加者 30人(講師2人含む)
 前2回のシンポジウムでのアンケート等で、今回開催した講師との意見交換会への参加を希望された方及び主催者・後援者。
 6 意見交換
   の内容
◎ 守る会の活動姿勢・運営方法(役割分担や会の開催頻度等)について
◎ 守る会の活動に賛同し支援する地域の取組みや、守る会と行政(丹波市)との係わりについて
◎ 守る会の活動(「ママのおしゃべり救急箱」)における医療者等との連携について
◎ 柏原病院・守る会と、地域の薬剤師との連携状況について
◎ 病院勤務医の実情や病院の現状を市民に知らせるための方策について
◎ 住民が医療者を守るという考え方を広めていくための方策について
◎ コンビニ受診抑制のように、地域医療を守っていくために、住民が住民に対し伝えていくべきことについて
◎ 高齢社会における総合医の必要性と、小児科医と総合医の関連性について

【関連事項】
 第3回シンポジウムの基調講演が、以下のとおり、クローバーテレビ(クローバーチャンネル:デジタル12ch・アナログ18ch)で放送される予定です。
 平成22年10月16日 〜 31日の間の 月 〜 木 : 午後2時 〜 3時
金 〜 日 : 午後8時 〜 9時
   ○ 10月16日〜23日 : 基調講演T(丹生講師)
   ○ 10月24日〜31日 : 基調講演U(和久講師)

【アンケート結果概要】
 次回以降の開催に活かすため、アンケートを実施しました。その概要は次のとおりです。(無回答があるため、100%とはなりません。

 1 回収  143人(参加者全体の約48%)

 2 職業等について
医療関係者
住民
議会議員
行政職員
その他
19.8%
31.3%
6.1%
25.9%
16.3%
 
「医療関係者」の内訳
  病院医師
  診療所医師
  歯科医師
  薬剤師
  看護師
  病院職員(事務職)
  病院職員(医療職)
   (医師・看護師除く)

1.4%
1.4%
1.4%
2.0%
4.8%
6.8%
2.0%
 

 3 年齢について
10〜19歳
20〜29歳
30〜39歳
40〜49歳
50〜59歳
60〜69歳
70歳以上
0.0%
7.0%
11.2%
19.6%
31.4%
23.1%
7.7%
 

 4 住まいについて
津島市
愛西市
弥富市
あま市
大治町
蟹江町
飛島村
名古屋市
その他
53.1%
6.3%
10.5%
12.6%
0.0%
1.4%
0.0%
2.8%
13.3%
 

 5 基調講演T(丹生裕子講師)の内容について
よく理解できた
まあまあ理解できた
どちらでもない
あまり理解できなかった
理解できなかった
84.6%
15.4%
0.0%
0.0%
0.0%
 

 6 基調講演U(和久祥三講師)の内容について
良く理解できた
まあまあ理解できた
どちらでもない
あまり理解できなかった
理解できなかった
83.2%
13.3%
0.7%
0.0%
0.0%
 

 7 シンポジウム全体を通じて(複数回答可)
地域医療を守り育てていくための住民の役割・行動について認識が深まった 38.1%
医療は地域住民共通の限りある財産であることへの認識が深まった 28.8%
今後、受診・救急など、医療を利用する際に活かしていきたい 22.1%
海部地域の医療の状況に対し理解が深まった 7.4%
特に新しい発見等はなかった 0.0%
その他 1.3%



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